北海道地震への対応で延期されていた自民党…


 北海道地震への対応で延期されていた自民党総裁選の本格論戦がスタートした。6年ぶりとなる選挙にしては、盛り上がりはいまひとつ。せっかくの機会だ。活発な論戦とその深化を望みたい。

 国会議員選挙の場合、特に野党に多いが、ほとんど実現不可能な公約を掲げたり、ネガティブキャンペーンに終始したりしがちだ。それに対して、与党自民党の総裁選は基本的には志を同じくする候補が、リーダーシップや政策、ビジョンを競うのだから、より責任を伴い、現実的な論戦が期待できる。

 安倍晋三首相も石破茂元幹事長も憲法改正を目指しているが、その内容、時期などが異なり、大きな争点となっている。9条2項をそのままに自衛隊を明記する首相案に対し、石破氏は2項は削除すべきとする。

 両候補の論戦が盛り上がれば、改憲問題への国民の理解も深まるはずだ。改憲は衆参両院で3分の2以上の賛成を得て発議しても、最後は国民投票で国民に直接問わなければならない。

 経済政策、少子高齢化問題については、安倍首相が3年で社会保障制度を改革することを掲げ、石破氏は経済再生の核に地方創生を据えて司令塔となる会議の新設を提案している。さらに「防災省」創設も訴えているが、西日本豪雨、北海道地震と災害が続いており、検討に値する提案だ。

 今後の政策に直結する両候補の論戦は、自民党員だけでなく、多くの国民が注目していることを忘れないでほしい。