小池百合子東京都知事が就任2年を迎えた…


 小池百合子東京都知事が就任2年を迎えた。その2日前には、豊洲市場の「安全宣言」を行った。思えばその知事デビューは、土壌汚染問題を理由に当初2016年11月に予定されていた豊洲市場の開場を延期する、ちゃぶ台返しだった。

 都は汚染された地下水をポンプでくみ上げるなどして「安全性が確保された」と報告。しかし実際のところ汚染水があるにしても、それを飲んだり使ったりするわけではない。つまるところ、風評払拭(ふっしょく)のための工事であり知事の安全宣言だった。

 一方、開場延期によって多額の公費が無駄遣いされ、東京五輪関連の工事にも影響が及んだ。風評を背に小池劇場を開幕させた知事だが、10月11日の開場が近づく中、一種の幕引きが必要だった。

 昨年の「希望の党」の立ち上げ後の日の出の勢い、そして「排除」発言による衆院選惨敗と求心力喪失。その変転の激しさは、劇場型政治家の宿命とも言える。

 しかしその後は、派手な劇場型政治から少し距離を置き、都政に専念。受動喫煙問題では国より厳しい防止条例を制定するなど、政治家としての存在感を徐々に復活させているように見える。24時間型の保育所を増やすことなどにも意欲を示している。

 「今は課題を一つずつ実現していく。それに邁進(まいしん)するのみだ」という小池知事。国政への野心はまだ捨てていないと思われるが、まずは酷暑対策など課題山積の東京五輪を成功に導いてほしい。