改憲に幅広い合意へ努力、首相会見


来月1日、第4次安倍内閣発足

 安倍晋三首相(自民党総裁)は23日午後、衆議選での大勝を受けて党本部で記者会見を行い、憲法改正について、自民党案の提出に向けて党内議論を加速させる意向を表明する一方、公明党に加え、改憲に前向きな希望の党や日本維新の会を念頭に「与党、野党にかかわらず、幅広い合意を形成するように努力を重ねていく」と語った。

安倍首相

衆院選から一夜明け記者会見する安倍晋三首相=23日午後、東京・永田町の自民党本部(森啓造撮影)

 首相は、街頭演説で改憲にほとんど言及しなかったとの指摘に対し、「初めて公約の柱に位置付け、われわれがどう考えているか示した。街頭でもお配りしている」と説明。自衛隊明記、教育無償化、参院合区解消、緊急事態対応の改憲4項目について、今回の選挙で国民の審判を仰いだとの認識を示した。

 同時に「民意を得なければならないのは国民投票だ」と指摘し、憲法審査会などで議論を尽くす意向を表明した。自身が5月に掲げた「2020年に新憲法施行」の目標に関しては「スケジュールありきではない」と述べた。

 北朝鮮問題については来月5日に来日するトランプ米大統領と連携を確認し、また東アジアサミットなどの場を利用して、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平主席とも議論していきたいとの考えを示した。

 学校法人「森友学園」「加計学園」問題に関しては「国会審議を最初から全部見ていた人には理解してもらえたと思う」と述べつつも、「これからも質問されれば、丁寧に答えたい」と語った。

 首相はまた「わが党が3回連続で過半数の議席を得たのはほぼ半世紀ぶり。同じ総裁の下で3回続けて勝利を得たのは立党以来で初めて。だからこそ、謙虚に政策を進めていかなければならない」と語るなど、「謙虚」という言葉を会見中、何度も繰り返した。

 第4次安倍内閣は来月1日、特別国会での首相指名選挙を経て発足する。首相は23日、公明党の山口那津男代表と国会内で会談し、連立政権継続を確認。全世代型社会保障の構築を目指すことなどを盛り込んだ政権合意書に署名した。