政権選択選挙のはずが、野党のドタバタで…


 政権選択選挙のはずが、野党のドタバタで「安倍政権の『信任』」選挙となった衆院選。昨日の社説から。「(北朝鮮危機と少子高齢化という)国難を乗り越える。安倍晋三首相の呼びかけに、国民は強い支持を与えた」(産経)。

 有権者は「今の野党に日本の舵(かじ)取りを任せることはできない。政策を遂行する総合力を有する安倍政権の継続が最も現実的な選択肢だ」(読売)と判断した。日経は「自公の連立政権に軍配を上げたが、野党よりはややましという消極的な支持にすぎない」と。

 朝日は「有権者は安倍首相の続投を選んだ」とはいえ、野党同士のつぶし合いが与党を利した形で「野党が『負けた』のが実態だろう」と未練たっぷり。

 「民進党議員の参加をめぐる露骨な選別が逆風を呼んだ」(毎日)。希望の党の急速な失速の一因に、民進党合流の際の「リベラル(左派)排除」が挙げられる。だが、日経は「政策を同じくする同志を集めようとするのは当然」だと割り切る。

 小紙も選別を「民進党が政権批判の受け皿になれなかったのは、安保・外交政策で意見の分かれる左右両派が混在し、国民が安心して政権を託せなかったからだ」と理解した。

 希望が「安全保障関連法を容認し、安保政策で自民党と差のない保守系野党を目指す姿勢は、評価できる。従来の不毛な安保論争に終止符を打つことは重要だ」とする読売の大局観は同意できる。躓(つまず)きを糧に健全野党に成長するのを見守りたい。