国家緊急事態の規定を 盛り上がる改憲派


憲法記念日

 日本国憲法施行後68年となる憲法記念日の3日、全国各地でさまざまな立場から憲法に関する催しが開かれた。都内では、1969年から憲法改正運動を続けてきた新しい憲法をつくる国民会議(=自主憲法制定国民会議、清原淳平会長)が第46回「新しい憲法をつくる国民大会」を開催し、民間憲法臨調と美しい日本の憲法をつくる国民の会は第17回「公開憲法フォーラム」で憲法改正を訴えるなど改憲派の運動の盛り上がりを印象付けた。

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第46回「新しい憲法をつくる国民大会」で挨拶する清原淳平会長=3日、都内

 「新しい憲法をつくる国民大会」で挨拶した清原会長は、「国家は平常時ばかりではない。非常事態がある」と述べ、東日本大震災など政府の対策が遅かったことを例に日本国憲法に国家緊急事態対処規定がないことを問題視。諸外国の憲法の同規定を紹介するとともに、大災害発生時に①国家のトップクラスの非常事態宣言②救援のための総指揮③緊急財政処分――など、規定すべき要点を説明した。

 清原氏はまた、旧憲法の大日本帝国憲法には緊急事態対処規定があり、1923年9月1日の関東大震災のとき「政府はその日のうちに非常事態宣言を発している。翌9月2日には緊急財政処分をしてお金の手当までしている」と指摘し、現憲法に同規定が必要であると訴えた。

 さらに清原氏は、集団的自衛権行使に関する政府の憲法解釈変更に関連して、「独立国にふさわしく解釈して運用してきたが、限界に近づいている」との認識を示して、改憲を呼び掛けた。

 同大会では船田元・自民党憲法改正推進本部長など国会議員らが講話。船田氏は「憲法改正は日本人としてやり遂げなければならない。国会憲法審査会がスタートし、改正の中身の議論に到達した」などと述べた。

 大会に先立ち、同国民会議が同大会に向け募集した「憲法改正川柳」に全国から4046句寄せられたことが報告され、大賞の「諸外国ジャパン憲法『不思議デス』」ほか6句の佳作が読み上げられた。また、入選206句を冊子に収録し、改憲を求める同大会に賛同する声としてアピールした。