世論喚起しさらに前進を 新憲法制定議員同盟が推進大会


 超党派の改憲派議員で構成する「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)主催の「新しい憲法を制定する推進大会」が1日午後、東京・永田町の憲政記念館で開催された。国会の憲法審査会が連休明けの7日から、いよいよ憲法改正の中身の議論をスタートさせるのを前に、各党の代表らは改憲の必要性をそれぞれの立場から強調した。

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新しい憲法を制定する推進大会であいさつする中曽根康弘元首相=1日午後、東京・永田町の憲政記念館

 中曽根会長はまず、「憲法に対する見解の相違はあっても、各党は自らの試案、考えに基づいて議論のテーブルに着いて話し合う環境が整いつつあることは大変な進展だ」と述べた上で、「特に、本年は戦後70年という節目の年にある。憲法を見直し、国が望むべき理想と共に現実への果敢な対応をしていかねばならない。世論を喚起し新たな憲法制定への道をさらに前進させていきたい」との抱負を語った。

 続いて自民党の船田元・憲法改正推進本部長が『ほのぼの一家の憲法改正ってなあに?』というタイトルの漫画本を先日同党が発行したことを紹介し、理解を深めるための国民運動を強化している点をアピール。「憲法改正の環境整備はほぼ出来上がった。憲法は定着してきたが、現実と乖離(かいり)した部分がかなり出てきてしまった。勇気をもって改正していきたいというのが基本的なスタンスだ」と語った。

 また、民主党の松原仁(じん)衆議院議員は、北朝鮮による邦人拉致の観点から指摘し「わが国の存立を周辺の国々の善意に委ねるような憲法は了解しかねる」などと訴えた。公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は「ヨーロッパを調査してきたが、開発と環境権は精緻な議論が必要だ」と述べながらも「この点はしっかり詰めていき、精力的な議論を進めていく」との意向を示した。

 さらに維新の党の小沢鋭仁・党憲法調査会長は「統治機構の改革をはじめ、緊急事態、環境権、財政規律の三つの方向性で改憲に賛成していく」と指摘。次世代の党の平沼赳夫党首は憲法前文にある「諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」というのは「絵空事だ」とし、「前文から改めねばならない」などと強調した。

 大会では各党代表あいさつに先立ち、キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹の宮家邦彦氏と駒澤大学名誉教授の西修氏が記念講演した。