統合と分散がせめぎ合う21世紀


小林 道憲

哲学者 小林 道憲

 21世紀の初頭に当たる今日、交通・通信機関の目覚ましい発達と、そのグローバル化とともに、ヒト、モノ、カネ、情報の巨大な流れが国境を越えて激しく流動し、世界はますます相互依存度を高めている。

 現に、盛んな国際貿易や国際金融、多国籍企業の活躍などによる経済のグローバル化は、市場のグローバル化をもたらした。急速な勢いで進展し続ける高度情報化と経済依存の高まりによって、今日の地球は縮小し、世界はすでに合一化しつつあると言える。地球の単一化のもとで、一つの地球文明が生成しつつあるというのが、21世紀初頭の文明史的な位置である。


...【全文を読む】
記事の全文をご覧になるには会員登録が必要です。
新規会員登録へ
ログインへ