退位の日まで「務め果たす」 天皇陛下、84歳に


皇位継承に向けた準備を共に

 天皇陛下は23日、84歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、皇居・宮殿「石橋の間」で記者会見。2019年4月30日の退位が決まり、「残された日々、象徴としての務めを果たしながら、次の時代への継承に向けた準備を、関係する人々と共に行っていきたい」との考えを示された。

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天皇陛下は84歳の誕生日を迎えられた=6日、皇居・御所の庭(宮内庁提供)

 陛下が自身の退位の日が決まったことについて、公に感想を述べられたのは初めて。「多くの人々が各々(おのおの)の立場で考え、努力してきてくれたことを、心から感謝しています」と話された。

 会見では、原稿を手にこの1年の出来事を回顧し、感想を述べられた。2月末から1週間の日程で初訪問したベトナムでは、人々から温かい歓迎を受け、「両国間の緊密な関係に深く思いを致しました」と振り返られた。帰途、タイに立ち寄り、昨年死去したプミポン前国王を御弔問。「長い交流の日々を懐かしく思い出しながら、最後のお別れをいたしました」と述べられた。

 10月には九州北部豪雨で被災した福岡県朝倉市と大分県日田市を御訪問。車中から全壊した家屋の様子を目の当たりにし、「自然の力の恐ろしさを改めて感じさせるものでした」と回想された。11月に鹿児島県の離島3島を訪問した際には、「島の人々が、それぞれの伝統を育み、その自然をいかして生活を送っている姿を、頼もしく思いました」と振り返られた。

 来年11月、初孫に当たる秋篠宮家の長女眞子殿下(26)が大学時代の同級生の小室圭さん(26)と結婚されることについては「大変喜ばしく、二人の幸せを願っています」と御祝福。「来(きた)る年が国民皆にとって良い年となるよう願っています」と述べ、約15分間の会見を締めくくられた。