両陛下、国王夫妻と静岡へ


スペインゆかりの時計御鑑賞

 天皇、皇后両陛下は7日、国賓として来日したスペインのフェリペ6世国王夫妻と共に、日帰りで静岡市を訪れ、同国から徳川家康に贈られた洋時計などを鑑賞された。両陛下が国賓を地方に案内されるのは、昨年10月にベルギー国王夫妻と茨城県を訪れて以来。

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天皇、皇后両陛下は、スペインのフェリペ6世国王夫妻と徳川家康の洋時計を鑑賞された=7日午後、静岡市葵区の料亭「浮月楼」(代表撮影)

 新幹線で静岡市入りした一行は、静岡県地震防災センターで津波の実験装置を見学した後、徳川慶喜の屋敷跡に建てられた料亭で、1611年に国王フェリペ3世が家康に贈った時計を鑑賞された。

 時計は、千葉県沖で遭難したスペイン船の乗組員を日本人が助けたことへの返礼の品で、国王は「スペインにとっても大切なものです」などと話した。

 天皇陛下は「どこで作ったものですか」と説明者に尋ねながら、顔を近づけて見入っておられた。

 国王夫妻は、静岡浅間神社で郷土芸能の「稚児舞」を鑑賞した後、静岡空港から帰国の途に就いた。

 宮内庁によると、国王は別れ際、「今後も両国の友好関係を一層発展させていきたい」と述べたという。