皇太子殿下57歳に
陛下のお言葉「心揺さぶられた」
皇太子殿下は23日、57歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち東宮御所(東京都港区)で記者会見。退位の御意向を強くにじませた昨年8月の天皇陛下のビデオメッセージについて、「陛下が『全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないか』とご案じになられていることに、とても心を揺さぶられました」と語られた。
皇太子殿下が公の場で陛下のビデオメッセージへの感想を述べたられたのは初めて。「厳粛な思いで伺いました」と述べられ、「陛下のお気持ちがそこに至った背景につきましては十分お察し申し上げている」と言及。「陛下のお考えを真摯(しんし)に重く受け止め、私自身が活動に当たって、常に心にとどめつつ務めに取り組んでまいりたい」と話された。
次の天皇として、象徴天皇の在り方に関し、「過去の天皇が歩んでこられた道と、(象徴天皇制を定めた)憲法の規定に思いを致して、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けることが大切」と従来の考えを改めて説明。「(天皇、皇后)両陛下がなさっておられるように、国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、共に悲しむことを続けていきたい」と述べられ、「時代に応じて求められる皇室の在り方を追い求めていきたい」とも語られた。
長期療養が続く雅子妃殿下について「活動の幅が広がってきていることを、うれしく思っております。一方で、依然体調には波もあります」と説明。昨秋に体調を崩し、学校の欠席が続いた長女愛子妃殿下については「ご心配をお掛けしましたが、雅子の支えもあり、今は普段通り学校生活に戻っております」と話された。