両陛下 国民との交流切望


ビデオメッセージ 正面見据え
マスクせず 並んで語り掛け

 「即位以来、私たちは皆さんと広く接することを願ってきました」。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、新年に初めて国民に向けてビデオメッセージを出された天皇、皇后両陛下。コロナ禍で地方訪問などは全て中止や延期となり、国民と直接交流する機会は大幅に減った。天皇陛下は「新型コロナウイルス感染症が収まり、再び皆さんと直接お会いできる日を心待ちにしています」と語り掛け、早期終息を願われた。

天皇御一家は新年を前に談笑された=2020年12月21日、東京都港区の赤坂御所(宮内庁提供)

天皇御一家は新年を前に談笑された=2020年12月21日、東京都港区の赤坂御所(宮内庁提供)

 ビデオメッセージは昨年12月28日、お住まいの赤坂御所で収録され、時間は6分45秒。両陛下はマスクをせず、並んで正面を見据えたまま、よどみなくメッセージを述べられた。

 側近によると、原稿を表示する「プロンプター」という装置を使用。上皇陛下は在位中に出したビデオメッセージで手元の紙を読み上げていたが、側近は「聞いてくださる方と視線を合わせながら話す方がいいというお気持ちでそういう選択をされたのだろう」と推し量る。

 また、「顔を見せて直接国民に話し掛けたい」という気持ちから、両陛下ともマスクは着用せず、十分な感染防止対策がなされた部屋で収録に臨まれた。

 両陛下が並んでメッセージを述べたことについて、側近は、例年の新年一般参賀と同様に、皇后陛下が陛下の隣に並ぶ形になったと説明。皇后陛下も御言葉を述べたのは異例だが、「陛下をそばでお支えしている中で自然に一言発せられたということ」と話した。