両陛下に感謝、復興誓う


「ものすごい力を頂いた」
宮城、福島の台風被災者

 26日、即位後初めて被災地を見舞われた天皇、皇后両陛下。子供から高齢者まで一人一人と目線の高さを合わせて熱心に言葉を交わした姿に、住民からは感謝と復興を誓う声が上がった。

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天皇、皇后両陛下は台風19号で被災した五福谷地区を視察された=26日午後、宮城県丸森町(代表撮影)

 両陛下は最初に宮城県丸森町を訪れ、被災者らと懇談した。自宅が床上浸水し親戚宅に避難した丸森中2年の菅野さくらさん(13)は、両陛下に「学校生活はいかがですか」と声を掛けられ、「学校が復旧し、部活もできるようになってうれしい」と答えたという。最後は両陛下と握手も交わし、「優しかった。頑張ろうと思いました」と笑顔を見せた。

 続く福島県本宮市でも、被災者らと予定時間を過ぎて懇談し、被災当時の過酷な体験に聞き入った。浸水で自宅が全壊した同市の団体職員伊藤克之さん(59)は「両陛下は小さい子の前では膝を曲げるなど、必ず相手の身長に合わせて話されていた。私も『お体に気を付けてください』と声を掛けられ、ものすごい力を頂いた」と振り返った。

 懇談が予定されていない被災者に、両陛下が積極的に声を掛ける場面も目立った。本宮市の小学5年生安斎悠佑さん(10)は「話し掛けてもらえるとは思っていなかったので、びっくりした。しゃがんで目線を合わせてくれて、とても話しやすかった」と振り返った。