大嘗祭 皇居で厳かに
皇位継承に伴う伝統儀式の大嘗祭の中心儀式「大嘗宮の儀」が14日夜から15日未明にかけ、皇居・東御苑で皇室行事として行われた。天皇陛下は米、アワや酒などを神前に供え、国家、国民の安寧と五穀豊穣(ほうじょう)などを祈られた。
未明まで伝統儀式
首相ら510人参列
陛下は、約90メートル四方の敷地に40近くの建物が並ぶ大嘗宮の廻立(かいりゅう)殿で身を清め、「御祭服」という白絹の装束に着替え、14日午後6時半すぎに悠紀(ゆき)殿の外陣に入り、「悠紀殿供饌(きょうせん)の儀」が始まった。
白の十二単(ひとえ)姿の皇后陛下も帳殿に入り拝礼された。皇后陛下の退出後、供え物の「神饌(しんせん)」が悠紀殿に運び込まれた。
続いて陛下は悠紀殿奥の内陣に入った。宮内庁によると、陛下は灯籠の明かりの中で、伊勢神宮の方を向いて御座に座り、悠紀地方(東日本)の栃木県で今年収穫された米、アワの飯と、白酒(しろき)、黒酒(くろき)、海産物などの神饌を皇祖神とされる天照大神と神々に供えられた。拝礼して御告文を読み上げ、自らも飯と酒を口にされた。
引き続き「主基(すき)殿供饌の儀」が15日午前0時半ごろから始まり、主基地方(西日本)の京都府で収穫した新穀を使った同様の儀式が行われる。
両儀式には皇后陛下、秋篠宮殿下御夫妻ら皇族方が参列。悠紀殿供饌の儀には、安倍晋三首相ら三権の長、閣僚、都道府県知事、各界代表ら510人が出席した。
16、18日は陛下と大嘗祭参列者との祝宴「大饗(だいきょう)の儀」が皇居・宮殿で行われる。
大嘗祭は宗教的性格を持つが、政府は「重要な伝統的皇位継承儀式で公的性格が認められる」として前例を踏襲し、国費の宮廷費で約24億4300万円の予算が計上された。