夏休みの終わり
宮城県の実家に住む甥(おい)夫婦に、次女が誕生したというので、日曜日(8月25日)にお祝いに訪れた。その日、幼稚園児の長女は夏休みの最後の日で、「あした、お友達に会える!」とはしゃいでいた。
東京で単身赴任生活を続け、家族の住む山口県と行ったり来たりしているから、8月いっぱいは夏休みだと思い込んでいたが、私の子供の頃と変わらず、東北の夏休みは短いまま。一方、東京では、どこも学校は9月2日に始まるかといえば、そうではなく、宮城県と同じ日に始まる所もある。例えば、新宿区、目黒区などがそうだ。
東北の夏で、私が育った頃との違いもある。30度を超えると、「暑い!」と感じていたのが、猛暑日が珍しくなくなったことだ。昨年、仙台で37・3度と、観測史上1位の記録を更新した。今年はお盆すぎにはかなり涼しくなったが、温暖化の影響は誰もが口にしていた。
実家は、東日本大震災の後、新築したので、クーラーが利いて快適だったが、私が育った古い家(築100年以上)はもちろん冷房なし。それでも、近年ほど暑くなかったのと風通しの良さから、夏バテや寝苦しさとは無縁だった。
そこで気になったのは、学校の冷房率。文部科学省の調査によると、公立小中学校の冷房設置状況は、全国平均約50%(平成29年現在)。同10年は11・5%だったから、大幅アップだが、北海道・東北には冷房の設置率が低い自治体が多く、宮城県は4・1%にすぎない。
そんな中で、冷房設置率トップは東京(99・99%)なのに対して、山口県は17・6%で、設置率ワースト13位。同県の蒸し暑さを知る私としては、財政力の地域差を思わずにはいられない。
温暖化とはいえ、8月末となれば、東北はかなり涼しくなるからいいが、まだ暑さが続く中、冷房のない教室で勉強する子供たちは気の毒だ。(森)