SCなどの人材有効活用を
文科省は6月下旬、「不登校に関する調査研究協力者会議」「フリースクール等に関する検討会議」「夜間中学設置推進・充実協議会」の合同会議を開き、不登校児童・生徒に適切に対応していくため、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)の配置促進を打ち出した。今後も断続的に会議を開催するという。
経済的な問題やいじめや災害などで精神的に厳しい状態にあり不登校になる児童・生徒の中には「外国人児童生徒」も多い。政府は外国人労働者を受け入れる方向で進んでいる。日本語の分からない両親の下では、経済的な問題だけでなく、就学年齢になっても、入学手続きや準備ができないケースも多いと聞く。
SC、SSWの学校での役割を勉強する研修会に出席したことがあるが、担当する学校が複数あり、児童・生徒の状況を把握するのが難しい、学校側も“外部の人”という感じで、保健室の養護教諭がいるからなどの理由で、あまり必要性を感じていない学校も多いという。
「餅は餅屋」という言葉があるように、SCは児童・生徒の担任教諭と相談しながら精神面を見る仕事であり、SSWは児童・生徒と学校、地方自治体の教育委員会や支援を必要としている行政の部署と連携を取りながら状況を改善する仕事だ。任せるべきことは、任せることが必要だ。
震災や豪雨などの自然災害によって、児童・生徒に精神的問題が起きて、やっと重い腰を上げるのが行政の常だが、通常の生活をしているように見える児童・生徒の中にも、精神的、経済的問題を抱えている場合もある。
SC、SSWの人材を有効活用する動きには納得できる。「不登校」「フリースクール」「夜間中学」だけでなく、クラス内の出来事全てに責任を持つ現行の教員の働き方を改革する上でも重要だ。
(和)