政府、教材ネット配信手続きを簡素化
著作権法改正案を決定
政府は23日の閣議で、学校が著作物を教材としてデジタル教科書を紙の教科書と併用して使用する場合にインターネット配信する際の手続き簡素化などを柱とする、学校教育法、著作権法、文部科学省著作教科書の出版権等に関する法律の3法関連法の改正案を決定した。今通常国会での成立を目指し、一部を除き2019年1月の施行を予定している。
現行法では、学校の授業で教員らが写真や小説、新聞記事などの著作物を印刷して配る場合は著作権者の許諾は不要だが、オンデマンド授業などで教材をネット配信する場合は必要。改正後は、学校などが文化庁長官の指定する窓口団体に補償金を支払えば許諾不要にする。この制度の施行は改正法公布から3年以内の政令で定める日とする。
学校教育法の改正では教科書の使用義務において、検定教科書と同等のデジタル教科書であれば、通常の紙の教科書に代えて一部で使用できる。デジタル教科書の文字拡大や音声機能を活用することで視覚障害・発達障害などがある児童・生徒の学習効果が上がる場合、全部で使用できる。
民間の教科書発行がない、高校の専門教科や特別支援学校で図書教材としてデジタル版教科書を使用できる。民間による発行がなく、文科省著作物がある場合、デジタル教科書の出版権を文科大臣が設定できるよう文科省著作教科書の出版等に関する法律を改正する。
デジタル教科書も、紙の教科書と同様に、文学作品などの著作物について権利者の承諾を得ずに使用することができ、著作権者に支払う補償金制度も含め著作権法も改正する。
企業や研究機関が情報セキュリティー対策のために著作権のあるソフトウエアを許諾なく解析することや、人工知能(AI)技術の一つで、大量のデータを読み込む「深層学習(ディープラーニング)」で著作物を使うことなども可能にする。










