ごみ減量化へ食品ロス学ぶ

埋立処分場の見学などに参加

 食べ残しや期限切れなどで食品が廃棄される食品ロス(フードロス)を知ることで家庭ごみの減量化につなげようと、東京都環境公社は13日、親子向けのワークショップを東京都江東区の環境局中防合同庁舎で開いた。小学校1年から6年生までの子供19人を含む42人が食品ロスやごみ問題に関する学習や埋め立て処分場の見学などに参加した。

東京都環境公社が親子向けワークショップ

ごみ減量化へ食品ロス学ぶ

参加者の子供が考案したリナルメニューにコメントする平井巧代表(写真中央)=13日午前、江東区の環境局中防合同庁舎

 食品ロス改善活動に携わる一般社団法人フードサルベージの平井巧代表が講師を務め、時折クイズを交えながら「食品ロスは全国で年間約600万㌧以上で、半分は家庭から出ている」と現状を説明。

 都の埋め立て処分場にも限界があるという点から、食品ロスの減量化が埋め立て地の延命にもつながることから「食料を作るにもごみを処理するにも土地やお金やエネルギーを使っているという現実がある。世界には食べ物が少なくて困っている人がいることも覚えておいてほしい」と訴えた。

 また、参加者らは食べ物を無駄にしないよう、食材の使い道を見詰め直すためのゲームにも挑戦。ランダムに選んだ野菜や魚などの食材カードを使い、家族と相談しながらアイデア料理を作るというゲームで、食パンの耳をクルトンにしたトマトスープや大根の葉を乗せた冷ややっこなど、さまざまなオリジナルメニューが発表された。

 平井代表は「親子で参加することで、家に帰ってからも考えた料理を作ってみようという気持ちになりやすい。買い物の仕方を変えたという家庭もある」と語った。

 同公社職員から東京都におけるごみ処理の過程やごみの分別などについて解説が行われた後、参加者らはバスでごみ処理の施設を見学。埋め立て処分場ではバスから降りた子供たちが1列に並び、「ごみ減らすぞー!」と元気な声で海に向かい叫ぶ場面も。

 帰りのバスでは「ごみを埋める土の高さが50㌢と決められているのはなぜか」といったガイド役の職員もすぐに答えられない鋭い質問が、子供たちから積極的に上がった。

 見学の中で、埋め立て処分場のごみが印象に残ったという角南明咲さん(7)は「買った食べ物はあんまり捨てない方がいいと思った。腐る前にちゃんと食べたい」と真剣な表情を浮かべる。家族4人で参加した川崎市在住の森悠紀さん(39)は「あまり身近にある施設じゃないので、子供と一緒に来てすごく新鮮。いらないものは捨てていたが、これからはポンポン捨てずに修理したり誰かに使ってもらったりしようと思う」と感慨深く語った。

 同公社環境事業部の杉山明事務所長は「子供が大人になった時にごみ処分場見学の経験がごみの分別や減量化につながると思う。学校で友達にきょうの体験を話してくれるとうれしい」と語った。ワークショップや見学会は来月17日にも開催。

(石井孝秀、写真も)