子宮頸がんワクチン 予防接種後、171人症状 文科省調査で
痛み訴え、学校や部活休む
子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に長く続く痛みを訴える声が出されている問題で、予防接種後に症状を訴え学校や部活動を欠席するなどした中高生が、2012年度に171人いたことが、文部科学省の6日までの調査で分かった。学校の調査結果がまとまるのは初めて。
子宮頸がんワクチンをめぐっては、副作用の訴えが相次ぎ、厚生労働省の検討部会が6月に接種勧奨を一時中止しているが、11~16歳の女子は定期接種の対象のままとされている。
文科省は同月、全国の国公私立の中学、高校、特別支援学校計約1万6700校(女子生徒数約340万人)に質問状を送り、全校から回答を得て集計した。
調査結果によると、ワクチンを接種した生徒で、体や頭の痛みなどの症状を訴えて12年度中に計30日以上欠席した女子生徒は51人。体育の授業や部活動を計30日以上休んだのが21人。欠席が30日未満の場合や、通学はしているものの症状を訴えた例などが99人だった。
現在も欠席が続くなど「学校生活の改善なし」とされたのは69人。57人が回復し、43人が回復途中だった。
本人や家族がワクチン接種との関係を疑って学校に既に伝えている例が主な対象で、新たな聞き取り調査の実施は求めなかったという。
もっと多くの被害がある
池田利恵・全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会事務局長の話 171人という数だけでも大きいが、実際はもっと多くの被害があるはずだ。連絡会の会員すら調査があることを知らされず、「欠席者」の中に入っていない。詳しく調べて事実を把握してほしい。
文部科学省学校健康教育課の話 本人か家族がワクチンが原因だと考えている例をまとめたもので、実際の因果関係は分からない。