「接種再開 被害生むだけ」 訴訟起こした原告女性ら
HPVワクチンの勧奨再開決定を受け、接種で健康被害を受けたとして全国で損害賠償訴訟を起こした原告女性らが12日、厚生労働省で記者会見した。女性らは「再開は新たな被害者を生むだけだ」「元の健康な体を返して」と訴えた。
望月瑠菜さん(22)=山梨県=は小学6年の時に接種を受け、高校1年の夏に歩行困難になった。「立っていると足が震える。今は少しパートで働いているが、元気になってもっと働きたい。国は私たち被害者に向き合い話を聞いてほしい」と涙ぐみながら話した。
北関東に住む女性(20)は、倦怠(けんたい)感や足腰の痛みに苦しむ。女性は「決定には怒りすら湧かず、絶望だけだ。国には元の健康な体を返してほしい、それだけだ」と語った。
会見にオンラインで参加した梅本美有さん(23)=福岡県=は「ワクチンで人生がめちゃくちゃになった。再開で被害者が増えるのは火を見るより明らかだ。国は私たちの地獄の苦しみに向き合って」と訴えた。
会見には集団訴訟全国弁護団も参加。「子宮頸(けい)がん予防は、副反応がない検診を重視すべきだ。新たな被害者を生む勧奨再開に強く抗議する」との声明を出した。近く厚労省に提出するという。