子宮頸がんワクチン「推奨撤回を」、薬害オンブズが学術団体に反論


 医師や弁護士でつくる市民団体「薬害オンブズパースン会議」の水口真寿美事務局長らは4日、東京都内で記者会見し、日本小児科学会など17の学術団体が子宮頸(けい)がんワクチンの積極的な接種を勧める見解を出したことについて、「ワクチンの危険性を過小評価しており、科学的に不正確だ」として撤回を求める意見書を送ったことを明らかにした。

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子宮頸(けい)がんワクチンをめぐり記者会見する市民団体「薬害オンブズパースン会議」の水口真寿美事務局長(左)と、被害を訴える大学生園田絵里菜さん(中央)、母の小百合さん(右)=4日午前、厚生労働省

 17団体が4月に出した見解は、ワクチンの有効性を認めた上で、副作用とされる症状について「接種者と非接種者で発生率に差は見られない」と指摘。「健康被害に対する救済が始まるなど、十分な接種体制が整ってきた」としていた。

 これに対しオンブズパースン会議は、ワクチンにはリスクに見合うだけの有効性はなく、接種を勧めるべきではないと反論。副作用には未報告もあることを全く無視しており、ワクチンの危険性について一般市民に誤解を与えるとした。

 ワクチン接種後に痛みや脱力を訴え、車いす生活が続く千葉県の大学生園田絵里菜さん(19)と一緒に会見に臨んだ母親の小百合さんは「治療体制が整っているなら娘はこういう姿ではない。とても憤りを覚える」と話した。

(時事)