「好奇心」が発展の原動力、地頭の良い子に


 20世紀初頭、当時の代表的科学者が集まって「未来の社会、今世紀中に実現できるモノ」を議論した。線の無い移動式の電話、時速300㌔以上の列車など、当時の一般人には見当もつかないものばかりだったそうだ。その中で実現した上記のもの。唯一実現していないのが「瞬間移動」だそうだ。

 こうした発明には、担当者たちの血のにじむような努力もあっただろうが、ちょっとしたヒント、アイデアは担当者以外の何気ない一言があったという。その一言をキャッチする鋭敏な感性が必要だったのであろう。

 見方を替えれば、昨今の衛星通信技術、インターネット技術を総動員すれば、「ドラえもんのどこでもドア」のような瞬間移動は今世紀中にも可能になるのではと期待したい。

 高温多湿の日本の夏場には、欠かせないクーラーだが、半世紀前の家庭用の代物は大型で水冷式、熱交換器が「ゴーゴー」と轟音(ごうおん)を立てていた。何とか静音のモノができないか悪戦苦闘していて、ヒントをくれたのは総務の平社員。「振動でゴトゴトするなら、その波形とは反対の波形を発して、抑えればいいんじゃない」と、酒の場で語った一言だったという。

 物事を成し遂げるには「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」(エジソン)とあるように、ひらめきが必要だ。徹底的な基本の追究、基礎研究が不可欠だ。また、長きにわたって、研究に集中できることが必要だ。天才といわれる人物は、少年時代から「ちょっと変わった子供」と言われ、現代でいう“発達異常”的な子供だったが、何かに興味を持つと、長期間にわたって観察・研究していたとも言われる。

 本当に地頭の良い子にするには「自分でできる子になる 好奇心を伸ばす子育て」(本山勝寛 大和書房)にあるように好奇心を持たせ、自力で学び続ける力を身に付けさせることだという。

(和)