学校現場では教師の人材確保・指導力が重要


 コロナ禍で過ごした今年度が終わる。筆者の子供が通っている学校では今月、3年生の卒業式が行われたが、出席者は限定され、在校生はオンラインでの参加だった。

 一斉休校の中で始まった1年。学校に通う子供と親にとって大変な1年だったが、学校の先生方も苦労が多かったのではないか。

 知り合いの教師に聞くと、学習課程の遅れを取り戻すことと感染対策の徹底で慌ただしかったという。中には心が不安定になる子供もいて、その対応に悩んだという話も聞いた。一方で、行事が中止されたり縮小されたりしたことで、かえって授業準備の時間ができたり、今必要なものは何かをじっくり考えることができたと前向きに捉える教師もいたという。

 さて、4月からの新年度はどうなるだろうか。学校現場では、これまで以上に教師の人材確保と指導力が重要になりそうだ。

 萩生田文科相は、学校教育でICT(情報通信技術)の整備と少人数学級を進めるため、教師の養成・確保と質向上を重視するという意味のことを語っている。

 国が今進めようとしているGIGAスクール構想では、各々(おのおの)の子供たちに最適の学習を実現するため教師にはICTの授業での活用能力が求められている。また、少人数学級(小学校を現在の40人学級から35人学級にする)を実現するにも、教師の数と質の確保が必要だ。ただ、最近は教師の志願者数が減少傾向にある。

 萩生田文科相は教員免許の国家資格化に意欲を示している。元は自民党の教育再生実行本部が2015年に提言した案だが、教職の社会的価値を高め、有能な人材の確保につなげようというものだ。

 現在、教師のわいせつ行為が問題になっている。一部教師の行為ではあるが、こうした問題も含めて、教師にどのような人材を確保できるかが引き続き課題となる。

(誠)