女性たちの抗議行動ーネパールから


地球だより

 ネパールでは女性への暴行事件がデモに発展している。下校途中だった生徒バギラティ・バッタさんが行方不明になった翌日、自宅がある西部バイタディ郡の村に近い渓谷で遺体で発見された事件を発端としたものだ。

 事件があったのは2月4日だが、同12日に首都カトマンズで葬列を模した数百人規模の抗議デモが行われた。女性の社会的地位が低い歴史の中で近年、性的暴行事件の増加が注目を集めたことが背景にある。

 お隣インドでも今月に入って、最高裁長官であるアルビン・ボブデ長官が、少女をレイプした罪に問われた被告に対する審理で「(被害少女と)結婚したいなら、われわれは力になれる」と述べて収監を回避するため結婚を勧めたことに対し、女性人権活動家らが同長官の辞任を要求する5200人以上が署名した書簡が公開された。

 8日は国際女性デーであったが、このような状況が継続して起きているのが現実である。まずは今もなお、繰り返されているこのような現実を認識し理解をすることからでも改善に向けた行動を起こすことはできる。

 国際女性デーに際して、米国では3月を女性史月間として祝っている。日本でも東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長辞任などの問題もあったが、これは先進国など一部の話だ。世界では女性の地位が低い風習のある貧しい地域の方が大半と考えざるを得ない。今一度、見直す良い機会ではないだろうか。

(T)