【上昇気流】東京都中央区にある鉄砲洲稲荷神社で寒中水浴が行われた


鉄砲洲稲荷神社Wikipediaより

 東京都中央区にある鉄砲洲稲荷神社で、氷の入った水槽で疫病退散を願う寒中水浴が行われた。新春恒例の行事だが、今年は新型コロナウイルス対策のため一般参加は見送られ、神社関係者だけ。

 この時期に寒中みそぎをするところは他にもある。茨城県の鹿島神宮では大寒に当たる今月20日、神職潔斎の池である御手洗池で行われる。参加者は全国各地からあって、午前と午後の2部に分けて開催されるという。

 かつて記者になって間もない頃、静岡県の浜名湖で行われる寒中みそぎを取材したことがあった。山蔭神道の拝殿道場に着くと「体験してみるといい」という山蔭基央(もとひさ)管長の言葉で参加することに。

 翌朝未明、約10人の修行者に交じって車で岸辺に移動した。ふんどしを身に着けて準備運動。そして水に入った。水が腹のあたりのところまでくると、東を向いて両手を合わせ、肩まで沈む。

 それから、昇りつつある太陽に向かって全員がみそぎ祓(はら)い詞(ことば)を唱えるのだ。身体に異常はなかったが、終えて陸に上がってから震えがやってきた。道場に戻って熱い紅茶を飲んでも収まらなかった。

 取材は、100日間の行に励んでいるという2人の若い西洋人から話を聞くため。2人とも俳優で「精神的な軸を求めて来日した」という。神道の印象を尋ねると「歴史を超えて、太古が現在に生きているという感じ」と答え、「西洋文化の重圧には耐え難かった」とも語っていた。

(サムネイル画像:Wikipediaより)