【上昇気流】京都の清水寺で毎年発表される「今年の漢字」に「金」が選ばれた


漢字1文字で今年の世相を表す「今年の漢字」に「金」が選ばれ、京都市東山区の清水寺で13日、森清範貫主が揮毫(きごう)した(代表撮影)

 京都の清水寺で毎年発表される「今年の漢字」に「金」が選ばれた。東京五輪・パラリンピックでの日本勢の金メダルラッシュなどによるものだ。主催の日本漢字能力検定協会によれば、約22万票の応募があった。「金」が選ばれたのは4回目。

 新型コロナウイルス禍の「禍」を事前に予想した人も少なくないだろう。昨年が「密」だったので、今年は同じイメージになるのを避けたのかもしれない。ちなみに、2位以下は「輪」「楽」「変」「新」「翔」など。

 東京都の小池百合子知事は、今年を表す漢字として「株」を挙げている。株というと株価などを連想させるが、新型コロナの変異株の「オミクロン株」のこと。政治家らしいと言える選択である。

 来年は「寅年」になる。実は「虎」という漢字が、2003年に今年の漢字に選ばれている。その理由としては、阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝、衆院選でのマニフェスト初導入で政治家たちが声高に吠(ほ)えたこと、「虎の尾を踏む」ような自衛隊イラク派遣などが挙げられている。

 そろそろ一年を振り返ってみる時期だ。それぞれ感慨はあるだろうが、まだ整理できないといったところか。考えてみれば、あっという間に一年の終わりを迎えるというのが正直な印象ではないだろうか。

 「光陰矢の如(ごと)し」ということわざが身に染みる。来年のことを今から考えるのは「鬼が笑う」が、少なくとも「金」を超える良い年になってほしい。