【上昇気流】「民主主義サミット」の開催に中国、ロシアが文句
米国のバイデン政権が呼び掛け、世界の民主主義国の首脳らがオンラインで参加する「民主主義サミット」の開催に中国、ロシアが文句を付けている。日本を含む約110の国と地域が参加するが、バイデン政権が「専制主義国家」と位置付ける中露は招待されていない。
ロシア外務省は「主催者らは世界の民主主義と人権を促進するリーダーだと主張しているが、その実績は理想とは程遠い。言論の自由や選挙制度に問題を抱えている」などと批判。中国外務省も、米国は「金権政治」に陥っているとし、今年1月の連邦議会襲撃事件や、白人警官による黒人男性への暴行事件などを挙げ「米国は民主主義の優等生ではない」と強調した。
確かに、米国その他の民主主義国が課題を抱えているのは事実である。しかし、政治制度に完璧は期し難い。あくまで相対的に良いものにしていくしかない。
そもそも、中露にそれを言う資格があるとは思えない。民主主義の「落第生」のロシアや共産党一党独裁体制の中国から、民主主義についての説教を聞こうという者はいない。
中国は「中国型民主主義」があると主張している。しかしそれは、政治への民意の反映、人権、信教や言論表現の自由の保障など民主主義の基本的な指標をどれだけ踏まえたものなのか。
中国型民主主義なるものが、これらの普遍的な価値を重んじているとは思われない。結局のところ、それは中国の言葉遊びにすぎない。