【上昇気流】ふとん太鼓


ふとん太鼓

ふとん太鼓

 「ふとん太鼓」と言っても東日本では馴染(なじ)みがないかもしれない。真っ赤な大きな布団を逆ピラミッド風に積み上げた大型の太鼓台で、大阪府下では「だんじり」とともに秋祭りを彩る。堺の百舌鳥八幡宮では、若衆が担ぎ「ベーラ、ベーラ、ベラショッショイ」の掛け声で練り歩く。

 東大阪の花園にはラグビー神社として知られる吉田春日神社にふとん太鼓がある。気流子は幼少期に一日中、付いて回り親を心配させた思い出がある。こちらの掛け声は「チョーサァジャ、チョーセェジャ」。

 だんじりは、岸和田が名高いように大阪南部の泉州に多く、昔からふとん太鼓と勢力圏を分けてきた。今年は新型コロナウイルス禍でいずれの奉納行事も中止になったと聞く。若衆はさぞや無念だったろう。

 大阪では総選挙で日本維新の会が席巻し、自民党は小選挙区の擁立候補が全員落選。こちらの勢力圏は大きく変わった。その理由を大阪の政治通に聞くと至って簡単。「共産党とくっ付いたからや」。

 大阪自民党は2015年の大阪府・市のダブル首長選挙で、共産党と反「大阪維新の会」連合を組んだ。これに保守層が反発し、当時のメディアの出口調査では自民支持層の4割が維新候補に投票した。それ以降も自共共闘を続けた結果が今回の惨敗劇だ。

 大阪自民党は神輿の担ぎ相手を間違えた。共産党と組めば票が消える。立憲民主党も耳が痛かろう。共産の穢れを落とす、お祓いが必要な晩秋である。