警戒厳重な「万聖節」到来
地球だより
日本のお盆に相当するフィリピンの万聖節(オールセイントデイ)の季節がやって来た。お墓参りをして故人を偲(しの)ぶための帰省期間でもあり、今年も1500万人が各地の墓地を訪れると予測されている。各地のバスターミナルや空港が混雑するのも日本と一緒だ。
しかし、ちょっと違うところもある。それは物々しい治安対策だ。この時期になると国家警察は、すべての警官を動員して警戒に当たるレッドアラートを発令。テロのターゲットになりやすい空港やバスターミナル、港などに多くの警官が24時間態勢で配備される。
墓参り客が殺到する墓地の入口でも空港のような手荷物検査が行われ、銃や刃物のほか、変わったところでは騒音をまき散らすカラオケ機器などの持ち込み禁止品を厳しくチェックする。昔はオッケーだったが、今ではアルコールも持ち込み禁止となっている。
家を空けることが多い時期だけに、この期間の空き巣被害も多いようだ。警察はドアの施錠や防犯カメラの設置など防犯対策のほか、ソーシャルメディアなどに、航空チケットやホテル予約などの旅行のスケジュールを公開しないよう注意を呼び掛けた。フェイスブックやインスタグラムが大好きなフィリピン人だが、防犯対策の観点から見れば、旅行先の写真の公開は帰宅後にした方が良さそうだ。
(F)