悔い改めの日
地球だより
イスラエルは9月30日、ユダヤ暦で5780年目となるユダヤの新年「ロシュ・ハシャナー」(年の頭という意味)を迎えた。
10日後の「ヨム・キプール」(大贖罪〈しょくざい〉日)、さらに5日後には「スコット」(仮庵〈かりいお〉の祭)と祝祭日が続くこの時期、官公庁の業務は半日となり、学校も数日登校するだけで、ほとんどが休日だ。
飛び休になるため、2週間連休にした学校もあるという。新学年が始まって1カ月だが、まだまだ休みは続く。日本語教師の友人は、ほとんどの生徒たちが海外に旅行するので、1カ月間休講にしたという。わが家の娘は、またやって来た長い連休に羽を伸ばしている。
旧約聖書のレビ記によれば、神がモーセに、第7月の1日を安息の日として聖なる集会の日とし、特に10日は大贖罪日とし、15日から7日間は仮庵の祭として仮庵に住むよう命じたとされる。
ユダヤ人にとって1年で最も重要な大贖罪日、イスラエルのアラブ地域以外の公共交通機関は運休、空港は閉鎖となり発着便は一切なくなる。エルサレムなど街の通りの信号機は消灯され、車の通行がない路上は子供たちの格好の遊び場と化し、スケートボードや自転車が疾走する。
以前、大贖罪日に断食を試みた時がある。徒歩でエルサレム旧市街に出掛け、熱中症の一歩手前で帰宅した。1日くらい大丈夫だろうと高をくくっていたのだ。炎天下に水も飲まずに何時間も歩き回るものではないと悔い改めた。
(M)