人気が集まる縁起数


地球だより

 タイでは車のナンバーのオークションがある。これまでの最高落札額は5年前、日本円にして7500万円だった。番号は11KK1111だった。

 基本的に人気なのは9だ。タイ語で9はカーウと発音するが、「発展する」との意味でもあり、縁起がいいのが人気の理由だ。

 9の連番の9999だったりすると、オークションの値段も急カーブで「発展」したりする。

 こうした縁起担ぎは国民性として根付いており、僧侶を家に呼ぶときも9人だとか、家を出るときも9時9分9秒とかといった具合だ。

 変わったところでは、人気の高い僧侶が亡くなると、涅槃(ねはん)信仰のためか、その日時に関連した番号の宝くじが飛ぶように売れたりする。

 なお、西洋ではラッキーセブンとされる7は、6同様、縁起が悪い数になる。タイ語でジェットの7は、「痛い」を意味する「ジェップ」に似ており、タイ語でホックの6は、「転ぶ」という意味もあるからだ。

 ただ、タイのヤモリ「トッケイ」が7回啼(な)くと幸運が訪れるとされる。このトッケイヤモリは、なかなかの代物で長さは30センチ程度。日本で見かけるヤモリやトカゲと訳が違う。しかも、薄い緑色の地肌に紅いつぶつぶのような模様で、あたかも毒キノコのような色合いのものもいる。

 それでも、幸運にあやかろうとペットとして飼われたりもするが、啼くときは決まって1~2回で終わり、一度も7回続けて啼くのを聞いたことがない。

(T)