道を聞かれる日本人


地球だより

 米ニューヨーク(NY)のマンハッタンは、南北を走るアベニューと東西を走るストリートから成る碁盤の目状に整備された街並みで知られる。この良い点は、通りの名前に数字が順番についているので、自分が今どの辺りにいるのかすぐに分かることだ。

 先日、NYに行った時、高齢の白人女性に道を尋ねられた。今回が2度目でまだ慣れない土地ながら、シンプルな区画のおかげでなんとか方向を教えることができた。

 ところで、NYでは地元民ではないアジア系の人でも、道を聞かれることはしょっちゅうあるようだ。

 日本からNYに移り住んで40年以上の宝石卸業を営む男性は、初めてNYにやって来たその日に白人の男性から声を掛けられ、「この俺に聞くのか」と驚かされたという。

 日本では、街を歩いている外国人に道を尋ねることは普通しない。この点、NYは世界中から移民が集う大都市で、相手がどんな人種かなどいちいち考えないのだろう。

 こうした多様さがもたらす街の活気が他の都市にはない魅力で、この男性は「一度NYに住んだら、もうほかの土地には住めない」と語る。

(Y)