悪事は警官の制服で
地球だより
フィリピンでは犯罪者が警官を装うことが珍しくない。本家の警官も犯罪まみれなので、絶好のカムフラージュになるという寸法だ。
このほどマニラ首都圏近郊のラグナ州で、警官に変装した誘拐団と警官隊が銃撃戦となり、容疑者5人と警官1人が死亡する事件があった。
偽警官たちは麻薬犯罪に手を染めている男を拉致して、解放と引き換えに身代金の支払いを要求。通報を受けた警察が身代金の引き渡しを利用して待ち伏せを行ったが、警官に気づいた容疑者たちが発砲して激しい銃撃戦となり6人が死亡したのだ。
変装に使われた制服の入手先を調べた結果、犯行の黒幕が現役の警官で容疑者に拳銃まで提供していたことが発覚。拉致する男の選定も警官がアドバイスしていたという。警官が偽警官を操って犯罪を実行していたのだ。
一方、マニラ市では現役の警官が外国人男性を麻薬容疑で逮捕し、解放と引き換えに20万ペソ(約40万円)を要求。男性は国家捜査局に助けを求め、現金の引き渡し場所に現れた警官4人は逮捕された。
このようにフィリピンの警官と犯罪者には、あまり関わりたくないという点で一致している。市民が警察への通報や協力に消極的なのも、悪徳警官たちのこのような実態が大きく影響している。
(F)