酒盛りのないお花見


地球だより

 首都ワシントンの春の風物詩であるポトマック河畔の桜は、先週末ごろ満開となった。ここは1912年に日本から約3000本の「ソメイヨシノ」が贈られたことで有名で、国内外から多くの人が訪れて花見を楽しんでいる。

 もっとも、公共の場での飲酒が禁止されているということもあり、ここでは日本のようにブルーシートを敷いて、にぎやかに酒盛りする光景はない。

 これについて、ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、ぺトゥラ・ドボラック氏は最近の記事で、日本各地でスーツ姿のサラリーマンや着物姿の女性らが桜の樹の下で敷物を広げて同僚や家族などと飲食を楽しむ姿を伝え、こうした風習がワシントンの花見には欠けているとした。

 同氏は、日本では花見が「真の娯楽になっている」と深く感銘を受けたようだった。しかし、ワシントンの場合、日本のように職場や自宅近くの至る所に花見スポットがあるわけではなく、日本の花見文化の再現は難しいと思える。

 その代わり、こちらでは日本の花見にありがちな場所取りによるトラブルやゴミの散乱とは無縁だ。ワシントン・モニュメントやジェファーソン記念館など歴史的な建造物を背景に見ながら、広々とした芝生の上に咲く桜を眺めることができ、それはそれで良いと思える。

(Y)