頼まれたら断れない


地球だより

 エジプト紙の三面記事を見て、殺人や強盗、誘拐、麻薬など、日常生活の中での人間関係の赤裸々な姿を見せつけられるのだが、極めて異常に感じることの一つに、「共犯」が多いことがある。殺意を持つ人物が、愛人や兄弟、親戚、友人に話を持ち掛け、持ち掛けられた方は、それを断ることをせずに引き受け、一緒に犯行に及ぶというケースが多い。

 犯行の結果、自分にも刑罰が及ぶにもかかわらず、そのことは考えないのか、いとも簡単に同調して協力、一緒に犯行に及ぶのだ。エジプト人の家族関係や友人関係の緊密さや、金銭欲しさ、刑罰に対する無知などが要因と考えられるものの、断れない人の良さ(悪さ?)も原因の一つとも思わされている。

 先月中旬には、紅海沿岸の町で、ある労働者の女が、別の労働者の女性が持つ装飾品を欲しくなり、運転手をしている友人の男に依頼、男はそれを引き受けて女性を激しく打って殺害、遺体を砂漠道路に放置するという事件があった。

 1月初旬には、デルタ地帯のベヘラ市で、父親に、自分に愛人がいることを知られた女が、父親が2人を殺害するのではないかと恐れ、愛人に依頼、一緒に父親を殺害した。

 エジプト人は一般的に人懐っこく、子供たちを溺愛し、友人との間にも親密な友情関係を築く情的な人が多いようで、家族や知人、友人に頼まれると断り切れないことがあるようだ。それにしても、犯罪後の結果を考えず、目の前の人との関係を優先する情は、改変が必要なのではと思わされるのだ。

(S)