ユダヤ人救済の祝い、プリム
地球だより
イスラエルで生活していると、ユダヤ教やユダヤ人の歴史にちなんだ祝日が本当に多いことを実感する。子供たちは、休みの合間に学校に行くような感覚だ。
ユダヤ暦アダル月14日に当たる3月1日、イスラエルの祝日の中で最も華やかな 「プリム祭」が全国各地で行われた。
紀元前5世紀ごろ、ペルシャ帝国アハシュエロス王の時代、宰相ハマンがユダヤ人の殺害を企てた。この計略をユダヤ人である王妃エステルが、決死の覚悟で王に知らせ、ユダヤ人は救済された。
このユダヤ人救済を祝うプリム祭が近づくと、「ハマンの耳」と呼ばれるケシの実のジャムやチョコなどが入った三角形のクッキーが店頭に並ぶ。
ユダヤ人はこの祭りの日、プレゼントを交換し合い、大人も子供も好きなように仮装し祝い楽しむ。
友達に贈るチョコレートなどのお菓子をプレゼント用のバスケットに詰め、楽しそうにリボンで飾り付けをしていた長女は、ピンクのカウボーイハットをかぶって出掛けた。
ピンクといえば、動物好きな次女が小学校1年生の頃、プリム祭にはうさぎになりたい、と言いだしたことが思い出される。教室のほかの女の子たちは皆、綺麗(きれい)なドレスで着飾っている中で、ピンクの着ぐるみのうさぎが1匹、楽しそうに走り回っていた。その滑稽な姿を見ていた私たち夫婦は笑いが止まらなかった。うさぎに成り切っていた娘は、とても嬉(うれ)しそうに飛び跳ねた。
(M)