新鮮求めスエズへ
地球だより
新鮮な魚を買いたいときは、迷わず、スエズ市の市場(スーク)に行くことにしている。アレクサンドリア市にも新鮮な魚が集まるとされるものの、カイロからはスエズの方がやや近いことから、スエズをひいきにしている。車で片道2時間強はかかるが、一度味わった新鮮さは、時間を超越させるのだ。
当地にあるスエズ運河は、地中海と紅海を結ぶ結節点であるだけに、双方の海の幸が集まっている。ただ魚を追い求め、一部の漁船はかなり遠方に出るとも言われている。
私の一番の狙い目は、当然季節によっても異なるが、カツオだ。数日前にも出掛けたが、当日の朝に水揚げされたというカツオが数軒の売り場に出されていた。目が真っ黒で、体の照りもよく、えらは真っ赤だ。これほど新鮮なカツオに出合うのは3回に1回くらいの割合だ。現在の値段は2・5~3㌔もので100ポンド(約620円)前後。幸運なときはマグロに出合うこともある、ただ本マグロではなく、キハダかビンチョウだが。
カツオの生きが悪い時には、サワラや、モンゴウイカにする。アジの新鮮なものを選ぶ場合もある。もちろん皆刺し身用だ。エジプトにいるとやはり、何よりも無性に刺し身が食べたくなるからだ。
エジプトのイメージは、太陽と砂漠で、海の幸があるとは考えられない人も多いかもしれないが、行くところに行けばちゃんと海鮮料理も楽しめるのだ。
(S)