日比関係に水差す慰安婦像


地球だより

 このほどマニラ市にフィリピン初の慰安婦像が設置された。事前に話題にもなっておらず、まさに青天霹靂(へきれき)といった感じだ。8日に行われた除幕式の様子を報じているのは、ほとんどが中国系メディアで地元メディアではほとんど話題になっていない。

 日本大使館も設置後にようやく事実を知りフィリピン政府に抗議したほどで、意図的に水面下で計画を進めていたと疑ってしまいたくなるほどだ。像の設置はフィリピン国家歴史委員会によるものだが、元慰安婦の支援団体のほか中華系財団が援助しているとの情報もある。

 今回、慰安婦像の設置という前例ができたことで、別の都市にも設置を広げる可能性も考えられそうだ。

 慰安婦像が設置されたのは、美しい夕日で有名なマニラ湾に面する遊歩道の一画。庶民の憩いの場で観光名所でもあり外国人も訪れ、多くの人々の目に触れることは間違いないスポットだ。

 日本大使館からも数キロと比較的近くにあり、同じくロハス大通りに面する米国大使館からはさらに近い。急増する中国や韓国からの訪問者の新たな観光名所となる可能性もある。

 日本大使館は最近、支援の一環で100台の車両を国家警察に引き渡し、現地で話題になったばかり。

 親日といわれるドゥテルテ大統領の下で良好な日比関係を築いているだけに、水を差された感じを禁じ得ない。

(F)