広がる喫煙規制
地球だより
タイ政府は今月、タイ国内の主要海岸での喫煙および吸い殻のポイ捨てを禁止する通達を出した。近い将来には、タイの全ビーチを禁煙とする方針で、今回はその第一段階となる。
全世界で製造されているたばこは45兆本。このうち約3割がポイ捨てされ、環境汚染の原因になっているとされる。
調査によるとビーチのゴミの3分の1はたばこの吸い殻もしくはパッケージの箱であり、世界中のビーチでは1日1億本が捨てられていることになるという。
今回の措置は非喫煙者の健康被害防止と景観改善が目的だが、とりわけ観光がタイの一大産業に育っている中、政府はビーチの美観をそこねる吸い殻のポイ捨て禁止措置に出ることになった。
禁煙指定となったビーチで喫煙した場合、1年以下の禁錮刑または10万バーツ(約35万円)以下の罰金刑、もしくはその両方が科せられることになる。喫煙規制はタイ人だけでなく外国人も対象となり、「知らなかった」では無論、当局を煙に巻くことはできない。
1990年代にはシンガポールの路上でのタバコポイ捨て禁止措置をタイもまねて、風紀委員よろしく名所旧跡や繁華街での取り締まりが厳しかった時代があった。それから20年ほど経て、道路からビーチまで、禁煙運動が広がった模様だ。
(T)