「フェイク求人」に注意


地球だより

 フィリピン人は基本的に海外志向が強い。国内の仕事が低賃金ということもあり、できることなら海外で働きたいと誰もが思っている。そんな海外志向を悪用した詐欺も横行しているようだ。

 このほどマニラ首都圏で、日本への就労を違法に斡旋(あっせん)していた日本人の男と、パートナーのフィリピン人の女が逮捕された。2人は日本語学校を経営しており、ここで学んだ後、日本のホテルや農家などでの仕事を斡旋すると説明。応募者から3万ペソ(約7万円)を徴収していた。

 3万ペソといえば首都圏の数カ月分の給与に匹敵し、庶民にとって決して安くない金額だ。

 将来の高給を期待し、親戚などから借金した人もいるだろう。地元メディアによると被害者は360人にも達するという。

 しかし、日本語トレーニングが終わっても日本に行ける気配がなく、さらに追加でビザの手数料を要求されたことから募集者の間で不信が広がった。念のために海外雇用局に問い合わせたところ、日本語学校が海外就労を斡旋する認可を得ていないことが発覚。日本人とそのパートナーは、当局のおとり捜査で逮捕された。

 逮捕された女はフィリピン人に深く浸透しているフェイスブックを利用して募集を掛けていたという。

 フェイスブックではフェイクニュースが問題になっているが、中にはこのような「フェイク求人」も紛れているので見極めが必要だ。

(F)