「禁煙令」悪用し恐喝


地球だより

 このほどドゥテルテ大統領は、公共の場での喫煙を禁じる大統領令に署名。7月から施行される予定だが、早くもこれを悪用した恐喝が発生し日本人が被害に遭っている。

 現地メディアによるとマニラ国際空港のトイレで、電子タバコを使用していた日本人男性が、清掃員に「逮捕されれば刑務所行き」などと脅されたという。飛行機に乗り遅れることを恐れた男性は、6万円を支払うことを余儀なくされた。男性は帰国後にフィリピン人の知人を通して空港警察に通報するよう頼み、恐喝した職員は解雇された。

 大統領令では学校や政府機関の施設はもちろんのこと、歩道での歩きタバコも対象となる徹底ぶり。空港やバスなど交通機関のターミナルも含まれ、喫煙所以外での喫煙は禁止となる。しかし今回の禁煙令に、電子タバコは含まれていない。

 今回の大統領令以前にも、各自治体が独自の条例で喫煙を規制していたが、悪徳警官がこれを利用して、外国人観光客を恐喝する事件が多発していた。

 いくら新しい大統領令が施行され規則が近代化しても、それを取り締まる警官や政府職員が旧態依然とした汚職体質では、彼らの懐が肥えるだけだろう。

(F)