国民性は綺麗好き?


地球だより

 すすけてゴミが目立つマニラの町並みとは裏腹に、フィリピン人が綺麗(きれい)好きなことに驚く日本人は少なくない。出勤や外出の前には必ずシャワーを浴びるし、体臭に気を遣いデオドラントや香水も欠かさない。

 ところがそんな綺麗好きが、公的な場所にはまったく反映されないことに、首をかしげる外国人は多い。ゴミのポイ捨てや悪臭を放つゴミ集積所、ゴミで埋まって水面が見えない川など、目を背けたくなるような光景が広がる。

 このようなことに関してフィリピン人はどう考えているのか? 地元紙に興味深い記事が載っていた。

 記事ではフィリピン人は自分の家はとても清潔に保つが、公共の場は別問題だと考えていると分析した上で、清潔な隣国である日本とシンガポールを参考にすべきだと指摘。シンガポールが国策として厳しい罰則を課して清潔を保つ一方、日本は街にゴミ箱を置かず、個人の責任でゴミを持ち帰ることで清潔を保っていると、それぞれの特徴を説明した。

 さらに日本で学生が自分たちで教室を掃除しているように、清潔さを保つことが自分たちの責任であることを子供たちに学ばせることが重要だとも指摘。自分の国を清潔にするには、まず自分たちの手を汚す必要があると、意識改革の必要性を訴えた。

 しかし、ファストフード店ですらセルフサービスではなく、掃除係が食器を片付ける習慣が根付いており、一筋縄ではいかないようにも感じる。