ファミマのドラえもん商法
東南アジアでは日本のアニメや漫画は絶大な影響力を持っている。セーラームーンやドラえもんなど、若者であれば誰も知らない人がいないほどだ。
その漫画のキャラクターを使った商品でブランド化を図り、潜在的ニーズを掘り起こそうとしているのがベトナムに進出したファミリーマートだ。
ファミマがベトナムに焦点を絞ったのは、マーケットとしての将来性だ。ベトナムでは若者の人口が多い。そのベトナムで国民に受け入れてもらうため、ファミマはこのほどベトナムの全店舗で新商品「のび太の先生まん」の販売を始めた。これは、11月20日の「ベトナム教師の日」に合わせたものだ。ベトナムは中国文化としての儒教的素地が強く、親や教師を大事にする風土がある。
その教師の日をスタートラインにして、販売価格1万2000ドン(約60円)の「のび太の先生まん」を数量限定で売り出した。これは漫画「ドラえもん」でのび太たちの学級を担任する先生の顔をかたどったもので、バナナ味のカスタードクリームが入っている。クリームの特徴は非常に甘いことだ。日本だとほんのりした甘さになるのだろうが、郷に入れば郷に従えで、暑い国らしい砂糖をたっぷり使ったカスタードクリームになった。
なお、ベトナムでは「ドラえもん」の人気は高く「ドレえもん」と呼ばれて国民に親しまれている。
これまでもファミマでは、「ドラえもんまん」や「ミニドラまん」「ジャイアンまん」「ドラミまん」「スネ夫まん」だけでなく、「のび太のお母さんまん」や「のび太のお父さんまん」「ジャイ子まん」「しずかまん」などシリーズ化したアンマンを立て続けに販売してきた経緯がある。
ファミリーマートは10月末、世界で2万4000店舗を展開している。このうちベトナムの店舗数は118。ファミマは小さく産んで大きく育てるつもりだ。
(T)