「ニンジャ」逮捕に報奨金


地球だより

 毎日のニュースでドゥテルテ大統領が話題にならない日はない。一国の元首なので当たり前かもしれないが、アキノ前大統領に比べて圧倒的に多い気がする。政治家らしからぬ過激な発言がメディアのネタになりやすいからだと推察している。

 そんなドゥテルテ氏が、今度は「ニンジャ討伐」を宣言した。もはや日本のニンジャは世界共通語だが、フィリピンの大統領の口からこの言葉が出るとは、いささか驚いた。どうやら国家の敵のようであるが、一体フィリピンに存在するニンジャとは何者なのか?

 結論から言うとニンジャとは、警察組織内で麻薬シンジケートのために暗躍する腐敗警官のことだ。麻薬撲滅を目指すドゥテルテ氏は、ニンジャ警官に関する情報に200万ペソ(約440万円)の報奨金を出すと発表。警官による内部告発を求めた。

 これだけ麻薬撲滅キャンペーンを推し進め、2カ月ほどで2000人以上の容疑者が殺害される状況にもかかわらず、依然として麻薬シンジケートは警察内部に「間者」を放ち、大統領を悩ませている。警察組織の浄化もなかなか難しいようだ。

 当初、デラロサ国家警察長官は、6カ月で麻薬戦争を終結させると豪語していたが、3カ月目に突入し「時間が足りない」と、思わず弱音を吐いているという。思っていた以上にフィリピンの麻薬汚染は根深いということだろう。

(F)