子供が騒がしいのは当然


地球だより

 フィリピンを訪れてまず感じるのは、日本と比べ物にならない騒々しさだろう。出生率が高いだけに、特に子供の声はどこに行っても聞こえてくる。

 凶悪犯罪ばかりが目立つフィリピン社会だが、一般的に子供には寛容で優しい側面がある。大家族が多く、狭い家での集団生活が当たり前なので、小さい子供の扱いは誰でもお手のもの。この国で「子供嫌い」などと言っても理解されない。子供は騒がしくて当たり前という認識で、公共の場で小さい子供を叱り飛ばしたりでもしたら、逆に白い目で見られるのが確実。下手をしたら子供への虐待で警察沙汰になる可能性もある。

 日本では子供が出す騒音の問題で、保育園の建設中止が相次ぎ社会問題化しているようだが、こちらでは、そういうトラブルは聞いたことがない。私が住んでいる地域は通学路となっているが、フィリピンの公立学校は教室不足で、二部制や三部制で授業を行っている。つまり朝から晩までずっと通学時間で、子供の声が騒がしいことも多いが、苦情を言う人はいない。

 それだけでなく、路地でバスケをやっている若者たちや野外誕生パーティーの爆音カラオケ、行商人の声など、日本では想像できない騒音に常にさらされている。静寂とは無縁の世界だ。しかし慣れとは不思議なもので、しばらく暮らすと別に気にならなくなる。逆にこちらも周囲を気にすることなく、ボリュームいっぱいで音楽を聞いたり、動画を見たりできるので、何とも気楽なものだ。

 老人が多数派の日本と、若者社会のフィリピンの違いとも言えるが、子供の当たり前の騒音すら許されない環境は、この国から見るとちょっと息苦しく感じる。小さい子供にまで大人の振る舞いを求めるのは、行き過ぎのような気がしてならない。

(F)