拳銃社会


地球だより

 せんだってタイのカムロンウィット前首都圏警察長官が成田空港で拳銃所持により逮捕された。これに関しプラチン運輸相は、前長官の出国時にスワンナプーム空港の検査では手荷物から拳銃は見つかっていなかったと説明した。

 なお前長官が捕まったのは、入国時ではなく入国して数日後に帰国しようとして成田国際空港で手荷物から拳銃と実弾が見つかったからだ。

 タイ警察のプラウット報道官によれば、前長官が所持していたリボルバー銃はミニチュアのような小型であり、前長官は薬入れの中にミニ拳銃を入れていたのを失念、この薬入れを日本旅行に持ってきてしまったとコメントした。

 これは弁解がましく聞こえるが、タイでは得てして起こり得ることだ。そもそもタイは米同様、拳銃社会だ。無論、アラブ人が懐にナイフを刺し込んでいるように、拳銃を腰にぶら下げて歩くようなことはない。しかし、机の中だとかバッグの中にいざという時のために忍ばせておくというケースは特殊なものではなく一般的なものだ。

 カンボジア国境などの闇市で拳銃や手榴(しゅりゅう)弾などを購入したりできるのがタイだ。

 タイには徴兵制があるから多くの成人男子は、拳銃の扱い方は熟知している。こうした銃社会の実態は、日本などの異空間と接触する時、あらぬ摩擦を起こしがちになるというのが今回の拳銃所持逮捕事件の真相だ。

(T)