フィクションと歴史の共存 変化する時代の価値観
チャールズ・クラウトハマー 2015/5/05 コラム|北米・中南米 [会員向け]
意図的にゆがめられた事実
米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー
【ワシントン】ヘンリー8世の宮廷を描いたマン・ブッカー賞受賞の歴史小説「ウルフ・ホール」。トマス・クロムウェルとトマス・モアの対立をかつてないほどに劇的に描いたこの小説が連続テレビドラマになり、PBSで放映された。気が狂いそうなほどひどい。
気が狂いそうなほどに歴史が意図的にゆがめられている。しかし、ドラマは構想から製作まで非常によくできていて、そんなことには誰も気付かない。陰気で、人の心をつかみ、皮肉に満ちた想像の産物を前にすれば、歴史的に間違っていようと、金を払ってでも見てみようという気になる。
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