タイの灯籠流し


地球だより

 タイも雨期が終わり、日本の秋に相当するいい季節に入っている。雨もなく、朝夕には涼しい風も吹いてしのぎやすい季節だ。

 タイでは11月から来年2月までベストシーズンを迎え、タイを訪問する外国人観光客もどっと増える。

 6日には仏教国タイの風物詩ロイクラトーンがあった。日本で言う灯籠流しだ。

 ただロイクラトーンと日本の灯籠流しは、宗教的意義が少々違う。

 ロイクラトーンはタイ陰暦12月の満月の夜に灯籠を流し、一年の罪を流す伝統行事だ。一方、日本の灯籠流しは夏のお盆に迎えた先祖を帰す送り火の一種だ。

 インドのバラナシに行った時、川岸では木の葉や花で作った小舟に、ろうそくや花を入れてガンジス川に流すプージャーが毎日、行われていた。

 プージャーとは供養の意味で、聖なるガンジスに感謝と謝罪の意を表したものだ。

 なお翌日の7日、バンコク都庁はチャオプラヤ川などに流された灯籠98万2064個を回収したと発表した。88万5995個は木などの天然素材製、9万6069個が発泡スチロール製だったという。

 この数を見るだけでもタイが熱心な仏教国家であることが分かる。ロイクラトーンは大体、一家で出掛けたり、最近は男女のカップルが一緒に灯籠を流す行事だが、人口700万人と言われるバンコクでほぼ全員が参加したといってもいい行事だからだ。

(T)