W杯期間中はブラジルの学校も休み


地球だより

 来月12日から開催されるサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会では、反政府デモの拡大などによる悪影響が懸念されているが、その一方でブラジル市民の多くがW杯を楽しみにしているのも事実だ。

 ブラジルにおけるサッカー熱は、一般の日本人が想像している以上だ。サッカーブラジル代表やひいきのチームの試合になると、勉強や仕事が手に着かない状態になるというのは、日本人にはなかなか理解できないと思うが、決して冗談ではない。

 お気に入りのチーム(クラブ)の入れ墨を体中に彫り込んだサポーターたちが集まってスタジアムの内外でひいきのチームを応援する姿は、最初に見た時にはさすがに驚いた。

 今回のブラジル開催W杯では、W杯開催都市での大会中の公立学校の休校が決まったという。「生徒が授業に集中できない」などの理由が主だというが、一部の企業までが休みになったり操業時間が短縮されるのは、ブラジルでのサッカー熱を知る記者には、納得がいく決定だ。

 4年前の南アフリカ開催W杯では、ブラジル代表の試合当日は、ブラジル中のほとんどの公立学校が休みになったと記憶している。ブラジル代表の試合の当日には、街中から人通りが消えた。ブラジル代表が得点を上げると、街中に花火の大きな音が鳴り響き、祝砲のように街中にこだました。

 街中のレストランやバーでは、テレビの前に人だかりができ、ブラジル代表選手のプレーの一つ一つに、一喜一憂していたが、そうした雰囲気の中に浸るのも、サッカー熱の高い国ならではの楽しみだと感じる。

 ブラジルW杯には、日本からも多くのサポーターが訪れると思われるが、ブラジルならではのサッカー熱も味わってほしいと思う。

(S)