ワクチンの副反応に驚きと感謝ーブラジルから


地球だより

 先日、日本大使館から「一時帰国時のワクチン接種意向調査」というアンケート調査が届いた。在留先でのワクチン接種に不安を感じている海外在留邦人向けに、日本に一時帰国をしてもらってワクチン接種を行う事業を行うというのだ。

 確かに、ワクチン接種が遅れていたり、有効率が高くないワクチンを使用している国もある。日本で接種できれば安心だろう。

 「一時帰国は面倒だな」と考えていると、地元自治体から「ワクチン接種のお知らせ」が届いた。自治体サイトで登録をした上で、会場まで来るようにとのことだ。記者の本能が目覚めた。パンデミックが発生している現地でのワクチン接種など、なかなかできないことだ。「ワクチン空打ち」による横流しの事案も発生しているだけに、接種現場がどうなっているのか、この目で確かめたかった。

 接種会場は、地元の診療所だ。受付で国民皆保険(SUS)のカードを渡す。後は、自分の番まで列に並んで待つだけだ。記者が受けたワクチンは、英アストラゼネカ製だった。日本政府が台湾に譲渡したものと同じワクチンだ。

 筋肉注射に緊張したが、痛みはほとんどない。「空打ち」防止のため、注射前後に注射器の中身を見せて確認していた。

 接種直後は副反応もなく、一安心と思ったが甘かった。接種当日の夜には、発熱と体中に刺すような痛みが走った。翌日には39度近い熱と倦怠(けんたい)感に悩まされた。副反応は1週間近く続いた。

 大変なワクチン体験だったが、家人いわく「これだけの副反応があるのだから、ワクチンは本物」とのこと。感謝すべき副反応なのだと諭された。

(S)