驚きのレンタカーシステムーイスラエルから


地球だより

 イスラエルでは、1カ月以上に及んだ3度目のロックダウン(都市封鎖)が明けて、家族や友人宅を訪問したという話をよく耳にした。

 あるユダヤ人の友人からは、週末にエルサレムの実家に帰った時の話を聞いた。現在は車を持っていないその友人は、レンタカーで実家に帰ったという。そのレンタカーのシステムの内容を聞いて驚いた。

 普通はレンタカーというと、レンタカー会社に行き、自分が乗りたい車を選んで契約をして借りてくるというイメージが思い浮かぶ。ところが、その友人は携帯のアプリを使って、自宅に一番近くて条件に合いそうな車を探し出し、週末の2日間だけその車を借りたという。つまり、友人が借りたレンタカーとは、同じ地域に住む人が所有する車ということだ。週末は車を使用しない人、恐らくシャバット(安息日)に車を運転しないユダヤ人などが、ビジネスとして自分の車を貸し出すという仕組みらしい。わざわざ遠くのレンタカー会社まで行く必要がないので、とても便利だという。

 友人は、ご両親の結婚記念日を兄弟家族全員で祝ったそうだ。ご両親は敬虔(けいけん)なユダヤ教徒なので、友人の兄弟は10人もいる。実家の庭の一角に小さなプライベートテーブルセットを準備して、ご両親に2人だけのディナーを楽しんでもらったそうだ。兄嫁がコース料理を作って、妹さんと弟さんたちが給仕をして、レストランさながらのもてなしに、ご両親はとても喜ばれたそうだ。

(M)